衆議院解散に向けて政治は大きく変化し始めています。
この一年間で、株価は約5割程度の上昇を示しており、日本経済の先行きに関しての楽観的な見方を現わしているとも言えます。
しかし反面で、とっても心配なことも進んでいます。
日本の10年国債の利回りがこの半年間で、1.6%から2.2%程度に急上昇しています。二年前は0.7%程度でしたから、二年で長期金利が三倍になったことになります。これは住宅金利や貸し出し金利に大きな影響力を持ちます。
心配なのは、普通だったら金利の上昇は、円高要因になるはずなのに、円が下落を続けていることです。購買力平価からすると、日本の物価はドルやユーロに比べてあまりにも安いので、長期的には円が安く見積もられ過ぎていると思えるのですが、日本の財政規律が良くならないことへの懸念の結果として、円安傾向が続いています。この五年間で、主要通貨比較では、アルゼンチンやトルコに続くほどの下落幅になっています。
日本の長期国債の利回りの急上昇は、多くの地方銀行の保有債券価格の急落による金融不安の原因になります。
今まで、日銀の徹底的な管理下で機能していなかった債券市場が機能しはじめ、財政規律が弱まると見られるや、国債の信用低下、金利上昇として現れます。少し前、英国の女性首相のトラス氏が短期間で辞任に追い込まれたトラスショックというのがありました。景気刺激策が発表されただけで、長期金利が急上昇し、市場の反発で、首相辞任に追いやられたという経緯です。
これから衆議院の解散と共に、各党が積極的な景気刺激策を打ち出してくると思われます。今、日本の財政規律が国際金融市場で問われ始めております。
近年は財政規律は心配ないという見解が急速に広まっていますが、金融市場はそのようには見ていません。
今後の動きが心配です。
このような中で、主の御手に守られることの大切さを以下の詩篇からともに覚えてただければ幸いです。
詩篇105篇7–17、24-26、42節「契約を守られる神」
この詩篇では、一人のアブラハムから神の民を創造し、その子孫をエジプトでの奴隷状態から解放し、約束の地に導かれた、主 (ヤハウェ) のみわざが歌われています。
7節では「この方こそ 私たちの神 主 (ヤハウェ) そのさばきは全地にわたる」と告白されますが、主は全世界を治める(さばく)方ではありますが、旧約ではあくまでもアブラハムの子孫であるイスラエルにとっての神として描かれているということを忘れてはなりません。自分をアブラハムの子孫の立場に置いて読まなければ、聖書の話は心に落ちません。
8、9節では、「主はご自分の契約を とこしえに覚えておられる……それはアブラハムと結んだ契約」と記され、その後、主のみわざが具体的に思い起こされた上で、42節では再び、「これらのことは 主がそのしもべアブラハムへの聖なることばを 覚えておられたからである」と描かれています。これこそ、聖書のストーリーの核心です。
それは、創世記12章2、3節の「あなたを大いなる国民とする……地のすべての部族は、あなたによって祝福される」という約束であり、同15章5、18節にあったアブラハムの子孫が天の星のように数えられないほどに増えるという約束、また、「エジプトの川から、あの大河ユーフラテス川まで」の約束の地を与えるという契約です。そして旧約の前半部分にはアブラハムの子孫に約束の地が与えられたという物語が描かれ、新約においては、地のすべての部族がアブラハムによって祝福されるという物語が描かれています。
僕は最初、主がアブラハムと結んだ「契約」という観点から聖書を読むことができていなかったため、旧約での残酷な物語や、救いが選びによるという教理にも違和感を覚えました。しかし、この観点から全体を読み出すとすべてに一貫性が見えてきました。
12–15節では、たとえば、アブラハム一族が約束のカナンの地に入りながら、飢饉のためにエジプトに「渡り歩いた」物語が示唆されます。彼は妻のサライを妹だと偽ることで自分の身の安全を保とうとしました。エジプトの「王」は彼女を妻の一人として召し入れましたが、神が王を「戒め」、王は多くの贈り物とともにアブラハムを約束の地に送り出すはめになりました。王からしたら不条理極まりない話ですが、これは神が、アブラハムの不真実にも関わらす、契約を守り通したという神の真実の物語になります。
16–23節ではイスラエルの民が「飢饉」のために避難する過程が描かれます。興味深いことに、「主は一人の人を彼らに先駆けて送られた」(17節)と記されます。それは「ヨセフが奴隷として売られた」ことを指します。兄弟たちから憎まれ、奴隷に売られることなど、あってはならない悲劇です。しかし、主は彼をエジプトの支配者へと引き上げました。
後にヨセフは兄弟たちに、「あなたがたは私に悪を謀りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとしてくださいました」(創世記50:20) と、兄たちを安心させ、優しく語りかけました。そこにアブラハムへの契約の成就の始まりを見たからです。
24–38節はイスラエルがエジプトから解放される過程が描かれます。その前提で、「主は人々の心を変えて ご自分の民を憎ませ……悪賢く扱うようにされた」(25節) と記されます。ここでも、人々の不真実を通して、契約に対する神の真実が描かれます。
【祈り】主よ、あなたの使徒パウロは、「私たちが真実でなくても、キリストは常に真実である。ご自分を否むことができないからである」(Ⅱテモテ2:13) と記していることを感謝します。聖書全体を通して、ご自身の契約に対するあなたの真実を見させてください。

