詩篇108篇〜金価格の高騰

 国際的な政治不安の中で、金価格が急騰を続けています。
 つい3か月前に一オンス4000ドルを記録して話題になった金価格が5000ドルを超えてしまいました。
 1980年代から2000年代まで約300ドルから400ドルで推移していた価格が、20年間で10倍以上になったということになります。
 ただ、ここにも国際政治のパワーバランスが影響しています。
最近のオーストラリア銀行の発表によると中国の金準備が公表している量の倍以上の5,500トンに達しているとのことです。これは8,000トン余りを保有する米国に次ぐ保有量です。
 大まかに言うと、第二次トランプ政権の誕生以降の関税政策の中で、中国の銀行は、米国の債権から金に乗り換えたということのようです。中国の米国債保有残高はピークから五割も減って、中国銀行の金準備が米国債保有を上回ったということのようです。
 つまり、この数年間の金価格の高騰の最大の原因は、中国銀行が米国債を売って金を買ったことによって、金の国際的な流通量が減少し、国際政治に過剰に反応する金価格の変動が生まれたということになります。
 なお、日本の国債は長い間、それなりの信用を得ていましたが、最近の長期金利の急上昇に見られるように、日本の信用も失われつつあります。
 とにかく金価格の高騰の背後にある最大の要因は中国にあります。しかし、中国の経済は傾きつつあり、最近のニュースで明らかのように軍の統制も揺らぎつつあります。そこから新たな金融市場の変化が生まれることでしょう。

 聖書では、神のことばは「金よりも、多くの純金よりも慕わしい」(詩篇19:10) と記されています。世界中の人々が、金の価値に目を向ける中で、三千年前のダビデが、神のことばは純金よりも価値があると述べていた原点に立ち返りたいと思います。
 詩篇108篇は、自分の周りの世界が変動する中で、私たちの心がどこに向かうべきかを描いています。

詩篇108篇1–13節「私の心は確立されています」

 この標題は「ダビデの賛歌」と記されます。1節の「神よ 私の心は揺るぎません」は、「確立されています」と訳すことができます。
 僕などは始終「心が揺れ」ますから、その方が心に響きます。
何よりも大切なのは、心の方向がいつも創造主に向かうことなのです。
 また「私の心の底も」ということばの原文は、「私の栄光も」であり、神を「全存在をもって」たたえているという告白です。
 2節では「琴よ 竪琴よ 目を覚ませ」と呼びかけ、その同じ動詞を用いて「私は暁を呼び覚まそう」と告白されます。「暁」とは「夜明けのしるし」であり、神が暗闇の中にすでに「新しい創造」(ガラテヤ6:12) を始めておられると、大胆に告げ知らせることです。
 さらにダビデは、「諸国の間で……もろもろの国民の間で あなたをほめ歌います」と述べ、全世界に対する神のご計画に思いを向けます (3節)。
 そして、神の「恵み」(ヘセド:不変の愛)と「まこと」(エメット:真実)の崇高さが覚えられ、神の「栄光が全地であがめられますように」と祈られます (4、5節)。
 私たちの「祈り」はあまりにも自分の狭い視野に囚われてはいないでしょうか。その心の方向性が正される必要がありましょう。
 6–13節は、イスラエル王国の回復の希望を歌ったものでしょう。6節でダビデは自分たちのことを「あなたの愛する者たち」と呼び、「あなたの右の手で救い、答えてください」と祈ります。
 7–9節では、「神は聖所から告げられ」という表現でエルサレム神殿の再建が示唆され、同時にダビデ王国の支配地全体を思い起しつつ、周辺の異教徒に対する最終的な勝利の希望が歌われます。

 私たちにとってイエス・キリストこそはご自身の十字架と復活によって真の神殿を再建し (ヨハネ2:19)、全世界に広がる神の支配を完成してくださる真の「ダビデの子」です。
 ダビデへの約束が成就することが、全世界が復活のイエスのご支配に服することにつながります (詩篇2:8)。


【祈り】主よ、私たちの日々の生活にも、様々な困難が、またときには大きな挫折が起こります。そのとき、どうかあなたの救いのご計画の大きさを理解できるよう、私の霊の目を開いてください。そして、「私の心は確立されています」と告白させてください。